柏崎・長岡(旧柏崎県)発、 歴史・文化・人物史
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 例に因って芋づる式に調べて居たら、関甲子次郎の『くぢらなみ』に行き当たった。明治45年に出版された鯨波村誌」とでも言うべき本だ。ご存知の方もあろうが、鯨波は、戊辰北越戦争の最大の激戦地の一つだ。NHKの大河ドラマ『八重の桜』で言えば、猛将・佐川官兵衛が激戦を繰り広げた処である。

 

 まあ、この『くぢらなみ』については置くとして、『柏崎百年』によれば、明治年中に柏崎で出版された書籍が、59冊もあるのだそうだ。同書に随って、幾つか挙げて見ると、明治32年(1899)、池田多作が『小栗判官二度たいめん』、『宮本佐門誉物語』、桑山直二郎が最初の『柏崎町鑑』を出版している。因みに、『柏崎町鑑』は一部15銭であったそうだ。横道に逸れるが、早速、『柏崎町鑑』を探してみた。サイトは、「日本の古本屋」である。明治32年版は、何とプレミアがついて4四万円に近く、その後、明治38年に出版された同書改訂版は、二万円に近い価格で販売されていた。これは当然手の届く範囲ではない。近代デジタルライブラリーで調べて見たが、残念ながら登録されていなかった。いずれ市立図書館で閲覧しなければならないだろう。

 

 実は、そこで『くぢらなみ』を見つけたのだ。さて、続けると、当山亮道が『古事記通解上中下』を、翌33年には、関甲子次郎が『柏崎三十番神堂の記』を著している。更に、関甲子次郎に就いて言えば、明治35年、以前引用した事もある『越後の婦人』、更に翌年には『生田の旋風』を発刊しているのだ。また、最大の地作と云えば、一種の地誌・史料集あるいは年代記ともいえる『柏崎文庫』全20冊がある。

 

 今の所、他との比較が出来ないので、この明治期の出版数が多いのかどうか、確実な事は言えないが、管見として言えば、驚くべき数字ではないだろうか。

 

 柏崎市立図書館(ソフィア・センター)で、こうした書籍はどれくらいデジタル化が進んでいるのだろう、気になって来る。以前、別の史料の事で問い合わせた時、ある程度、と云う事だったが、広報などを見ても、その気配を見いだせない。言い換えると、『柏崎百年』による明治32年から大正までの二十八年間に出版された59冊は、最優先でデジタル化を進めるべきではないかと思うのである。

 

 何しろ、昭和44年に出版された『柏崎百年』ですら、そこに登場する人物の為人や足跡を追う事が難しいのだ。少なくとも、早い時期にデジタル化が出来れば、よそ者である私のような物好きがいるとも限らないのだ。

 

 先日、木島さんと話したのだが、明治の「史談会」の如きものを、実施すべきではないかと思うのである。今ならまだ、三田村鳶魚の著作の如き、柏崎の事物誌を掘り起こすことが出来るのだが。

 

Best regards


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